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医師は都市部に集中、地方で相次ぐ病院の統合・再編や閉院…「命の格差」生まれかねず(読売新聞オンライン)

 4月中旬、岩手県沿岸部にある宮古市の県立宮古病院に、仕事中、息が苦しくなった岩泉町の男性(63)が救急搬送された。急性心筋梗塞(こうそく)で心臓の動きが弱まり、血液を全身に送り出すのが難しいショック状態に陥りかけていた。

 すぐにカテーテル(細い管)を挿入して、詰まった血管を広げる緊急治療が始まった。発症から一刻も早く治療しないと命に関わるが、血流は56分後に回復できた。病院到着も早いほどよく、搬送は隣接する宮古市まで30分弱で済んだが、内陸部にある盛岡市周辺の病院なら1時間以上かかった。治療した山屋昌平医師は「遠く離れた病院まで運んでいたら、間に合わなかった」と打ち明ける。

 医師が都市部に集中し、地方で不足する地域偏在だけでなく、診療科による偏りも生じている。カテーテルを使った緊急治療ができる循環器内科医は、過酷な勤務環境が敬遠され、外科医などと同様に、なり手が減っている。

 宮古病院は2人の医師が24時間365日、この緊急対応をカバーする。ぎりぎり持ちこたえているが、県沿岸部は専門医が少なく、今後は地域によって「命の格差」が生まれかねない。心筋梗塞などの心疾患は日本人の死因で、がんに次ぐ2位だ。岩手医科大の森野禎浩教授(循環器内科)は「地域の医療提供体制が崩れれば、心筋梗塞の救命率が一気に悪化する恐れがある」と危機感を募らせる。

 全国の病院は、物価高や人件費の上昇などで経営悪化に苦しむ。自治体病院の95%、民間病院の59%が赤字だ。地方では人口減少に伴い、患者数も減少傾向にあり、病院の統合・再編や閉院の動きも相次いでいる。

 北海道函館市の函館赤十字病院(137床)は2027年3月末をめどに閉院を検討している。市の人口は約23万人とピーク時から10万人以上減った。11の診療科を持ち、地域医療の中核を担ってきたが、経常赤字は23、24年度に1億円を超え、建物は築40年以上と老朽化が進む。地元の医療関係者は「市内の病院が今の体制を続ければ、病院同士の競争が激しくなり、共倒れになる」と話す。


引用元:Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/6345a52cc96daa0194cbe12fd00a62cfed6d44c7