MENU

携帯キャリアを次々乗り換える「ホッピング」は本当に得をするのか、問題はないのか考えた(アスキー)

 短期のMNPで携帯事業者を次々に乗り換えて特典を得る「ホッピング」。これが総務省で議論になるなど問題化している。つまり、そのメリットが大きいという証でもある。ユーザーの視点に立てば、より安く、より特典の大きいサービスへ移動するのは至極当然。そこで、どんな得をするのかあらためて考えた。

「SIMだけ乗り換え」なら、手間は最小限でトクは最大級
 
 まず、最も手軽で効果的なのが「SIMのみ(回線のみ)」の乗り換えだ。以前は、キャリアの乗り換えによる特典といえば端末の大幅値引きだったので、使っているスマートフォンの交換も必要だった。
 
 昔の携帯電話なら電話帳のコピーだけでよかったが、スマートフォンだとアプリの再設定や、ログインしているサービスの入り直しまで非常に面倒だ。
 
 ところがSIMだけの乗り換えなら、基本的に端末からSIMを抜いて新しいSIMを差し替えるだけ。しかも、同じ電話番号での移行ならほぼ再設定は不要だ。知人や仕事関係の人に電話番号が変わったという案内も必要ない。
 
 つまり、ほとんど手間をかけずに回線契約手続きだけすれば、高額ポイントなどの多くの特典が手に入るのだ。しかも、以前と違って高額な違約金はない。最近では多くのキャリアが1年以内の解約に契約解除料を取っているが(ドコモ、au、UQ、楽天モバイルなど)、1100円程度と低い金額だ(解約金の上限は総務省のガイドラインで定められている)。
 
 それでも契約すること自体を面倒と感じる人もいそうだ。ネット経由でも本人確認書類の準備なども含めて、数十分は慣れない作業をしなければならないし、店頭だと1時間以上拘束されてしまうのが一般的だ。これを面倒と思わないのであれえば、乗り換えようと思う人がいるのは当然だろう。しかし、一方でこれを短期に繰り返す人が多ければ、キャリアが損になるのもまた確かだ。
 
すでに特典の進呈は開通時から分割や数ヵ月後という傾向に
 
 ホッピングが問題視されたことを受け、総務省の専門委員会では極端に短期で解約されないよう「特典の分割提供制度」といった対策が検討されているが、特典を契約してすぐではなく、後から付与することはすでに実施されている。
 
 たとえば、ドコモのオンライン専用プランであるahamoでは、SIMのみ契約時の乗り換え特典である2万ポイントを、契約後すぐに1度で付与するのではなく、「4000ポイントずつ5ヵ月間」に分ける形をとっている。
 
 また、ソフトバンクのLINEMOは、乗り換えや新規加入で3000円~2万円相当のPayPayポイントがもらえるが、これは開通の7ヵ月後。ユーザーがある程度の利用料を払った後でないと特典は提供しないという強い意志を感じる。楽天モバイルも、特典は数ヵ月後以降の3回に分けて付与されるほか、同じ楽天IDでは2回目以降の特典を得ることに制限もある。
 
 特典を得るまでの時間が待ち遠しいが、逆に言えば、事業者が望まないユーザーには特典は出されず、普通に使う人は特典が得られるということでもある。
 
すぐに特典ゲットを前提にするなら
依然として「端末セット」がオトクなのだが
 
 キャリア乗り換えで高額ポイントを得るまでの期間が長期化しているので、すぐ特典を得たいのなら、加入時のスマートフォンの大幅値引き購入ということになる。
 
 前述のahamoの場合、SIMだけ加入の場合は2万円の特典を得るのに5ヵ月かかるが、スマートフォンの割引はそうではない。たとえばPixel 10aの値引きがすごい。2年後の端末返却を前提とする、販売プログラム「いつでもカエドキプログラム」を利用した場合の例では、プログラム利用料を含めた負担額の2万2033円が案内されているが、実は一括払いを選ぶと4万4913円で自分のものになる。
 
 このPixel 10aの128GBモデルは、単体購入ではGoogleの直販サイトで7万9900円なので、約3万5000円相当の特典がすぐもらえると考えることは可能だ。
 
 現在のところPixel 10a 128GBモデルの未使用品は、買取専門店で6万円程度の価格がついている。5ヵ月待って2万ポイントよりは、すぐに約1万5000円の差額を手に入れられる方がいいと思う人がいてもおかしくない。また、ahamoの月額料金は2970円なので、長く維持するよりはさっさと解約したほうが安上がりだ。まさにこれがホッピングで問題とされる実態だろう。
 
 場合によっては、契約から購入・買取まで、誰かから指示されて実行する“名義貸し”まがいのことが発生している可能性もあるかもしれない。ahamoだけでなく、IIJmioで割引販売される格安機種でも1万円程度の利益になるようだ。普通の人が最新スマートフォンを安く買えるのはいいことだが、こうした行為によって機会がなくなってしまうのは残念なことだ。
 
規制強化の可能性は高く、早めの決断を
 
 総務省が進める「ホッピング対策」は、一部の問題のある利用者を標的にしたものだが、その結果として、普通に利便性を求めてキャリア乗り換えをしている一般ユーザーも不自由を強いられる可能性があるのは納得しがたいものがある。
 
 しかも、現在の販売ルールは、総務省による規制緩和と、それによって発生した問題への対策が繰り返され、複雑怪奇で矛盾すら感じさせる内容になっている。ならば昔のように、スマートフォンの値引き制限はない状況のほうがよかったのではないかと思うほどだ。
 
 とはいえ、このままだとホッピングに関しては、なんらかの対策が取られ、端末値引きや特典に制限が加わる可能性がある。もし、乗り換えにともなうスマートフォンの購入やより良いプランへの移行を考えているなら、早めの決断がよさそうだ。
 


引用元:Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/6800e474eac3545b12f875044f8e1c06b6e4dda0