5月23日、霜降り明星・粗品がMCを務める『ツッコミ芸人No.1決定戦 ツッコミスター』(フジテレビ系)が放送された。ツッコミ芸のナンバーワンを決めるという、これまでありそうでなかった競技型のお笑い番組である。この番組が画期的だったのは、粗品が単なるMCではなく、企画の中枢に深くかかわっていたことだ。出場者の選定、審査方法、お題の方向性、競技設計、音楽、観客の選別に至るまで、粗品のこだわりが隅々にまで反映されていた。
ママタルト・檜原洋平が、ゼロカラン・ワキユウタとの決勝を制し、初代王者に輝いた。出典:サンスポ 2026/5/23(土)
大波乱の中で存在感を示したのが、檜原の得意とする長尺ツッコミだった。出典:スポニチ Annex 2026/5/23(土)
エキスパートの補足・見解
出場者の中には「M-1」の優勝者やファイナリストもいれば、世間的にはまだ無名に近い芸人もいた。だが、知名度や人気は勝負には一切関係ない。12名の出場者が2ブロックに分かれて戦い、そこから準決勝、決勝へと進む中で、たくろうの赤木裕やオズワルドの伊藤俊介といった有名どころも敗れていった。決勝に残ったのは、ゼロカランのワキユウタとママタルトの檜原洋平。優勝したのは、得意技の長いツッコミを中心に緩急自在の切れ味鋭い回答を連発した檜原だった。まさに、その場の技術だけで勝敗が決まる正真正銘の実力勝負だった。
番組全体にはストイックなお笑いの緊張感が漂っていた。その空気は、同じフジテレビの大喜利番組『IPPONグランプリ』に近い。ただ、『IPPON』は知名度のある芸人が中心でテレビ的な華やかさがあったが、『ツッコミスター』はもっと泥臭く、より純粋に芸人の技術を競う番組だった。この番組からはテレビで純度の高いお笑いを作るという制作者と粗品の覚悟が感じられた。お笑い界を盛り上げるための新たな戦いがここから始まったのだ。
テレビ番組制作会社勤務を経て作家・お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など、多岐にわたる活動を行う。主な著書に『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと『めちゃイケ』の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)、『なぜ、とんねるずとダウンタウンは仲が悪いと言われるのか?』(コア新書)、『M-1戦国史』(メディアファクトリー新書)がある。マンガ『イロモンガール』(白泉社)では原作を担当した。
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作家・お笑い評論家
お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで著者:ラリー遠田お笑いを世代で読み解くもう一つの戦後史。
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引用元:Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/65bf6465fd99964b36a21dcafa990cbb14383fa0
